墓石事例集.25「本小松石のサビ色変質除去」
□月×日 相州相模はかつての鎌倉幕府所在地で、本小松石を筆頭とする輝石安山岩は、私達が目にする石材の中でも古い歴史を持ち、その当時に於いてもすでに、 関東地方の石材産地としての名を成していたと考えられています。
江戸城構築に当たっても、その石垣等に多量の搬出があったようですし、 近くは昭和天皇陵にも使用されたことを考えれば、この石材の「雅(みやび)」さえもうかがい知ることが出来るでしょう。
切り出されたままの状態では外観は赤褐色。
それから、本磨き加工に至るにつれて、この石独特の模様と緑色の輝きは、まるで生きているかのような肌合いが感じられ、 まさに「重厚な気品」と言う言葉が当てはまります。
本小松石(青目)は、墓石としては誠に、最高級品といい得ます。
多くの人に愛好されているこの石の墓石も20年以上の歳月を過ぎ、経年により、既に光輝も無く、 部位によってはかなりのサビ色の変質までも噴出。現地をご案内いただいた際にお客様がこぼされた「ため息」が印象的でした・・・。
外柵に供された白御影石の黒ずみ等汚れ除去「ケア」を担当いたしました折、
「せっかくですから、この墓碑のサビ色変質も、やってみましょうか?」。
「えっ!?この小松石のサビ色もとることが・・・。出来るんですか?」。
ということで、早速に、テスト部位として墓誌を選んで実施しました。
施工前 施工後
- 除塵、必要箇所の養生
- 清水洗浄後、中性専用サビ除去剤を塗布
- ケミカル効果を確認
- 中性専用中和剤をたっぷり塗布
- 清水洗浄後、乾燥
翻って墓所を見渡せば、多くの本小松石の立派な墓碑が建立されていました。
由緒ある寺墓地には当然の事かもしれませんが、神々しい光景ですね。
さて、こうして「ケア・スキル」を診てくださった石材店さんは・・・。
今や何と、我が全国石材メンテナンス協会のご加盟いただき、この地区(茨城県)の一員として、現在まさに「石材ケア」にチャレンジされているのです。合掌
※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。
古いお墓の経年劣化、諦めないで下さい。綺麗に磨きます!
ご先祖様代々のお墓を綺麗にお守りします。