建築石材の実例集.35 「石造り浴室浴槽の白濁り変色化」
△月□日 石材メンテナンスでは石の汚れに限らず、各種の石の補修・修復までを含む幅広い仕事を指しますが、 皆さんのイメージしやすい、石材に染み込んだ様々な汚れ等の除去という点に絞って考えてみると、 巷間に実施されている諸々のスキルの中で、環境に優しいケミカルを選ぶ洗浄工法が、対費用効果を考えてもベターな方法であることは、私の「石材ケア事例集」(2005年日本石材新聞社刊)でもお訴えいたしております。
今回は、その好例ということになるのでしょうか、
個人邸の石造りの浴室・浴槽の「ケア・メンテナンス」です。
この案件の浴室内には「サウナ室」までも併設されていて、完成当時からの経年を思えば、お客様の「こだわり」さえ見出すことができます。
その御影石、しかも鏡面仕上げのマホガニーの浴室内は、20年という経年にわたる影響でその輝度はかなり落ちて、特に浴槽内の床石に噴出した変質現象は、「すわっ、エフロか?!」と思わしき白濁を呈していますが、場所柄人為垢、石鹸カス等々、各種の作用によるものでしょう・・・。 神秘的とも思われるマホガニーの表面を、スケール化し白茶けた変質物が噴出し覆っています。
施工前 施工後
お客様は何とか除去すべく、あの手この手と汚れ除去を施されたことは、その脱衣室の化粧台に所狭しと並ぶ、市販の様々な染み抜き剤、 浴室洗浄剤などの買い置き容器が残されているのを見てもわかり、そのご心労が痛いほど伺えます。
浴室内のカラン台浴槽の腰周り、天板にも俗に言う、「シリカ化合物」の跡が、まるで白いペンキでも散らしたかのごとくに、スケール化しているのでした。
このような状況の「ケア」には、ケミカル工法、及びダイヤモンドディスク使用による研磨作業との併用を余儀なくされます。
さて、浴槽のクリーニング手順です。- 変質している白いスケール(シリカ物)に専用除去剤を塗布。だだし、当初は主に変質物を溶かす程度まで行います
- 上記1番を繰り返した後、専用のスクレーバーで御影石の鏡面仕上げをキズつけることのないように除去。
- 除去効果を確認したら、専用のディスク、またはサンダーにディスクパッドを装着し、研磨。 パッド毎の番手は、各部位ごとにダメージの具合を診ながら選びます。(低番手から高番手、バフィングまで)
- 上記3番を繰り返します。
施工前 施工後
ご依頼の石材店さんの計算でも約12m2というケアで、丸2日間を要しました。当然、各部位の目地についても、同時施工で打ち直しいたしました。 「まぁ〜、綺麗にしていただいて・・・」と、3時の一息に豆から挽いたコーヒーをデミタスカップに入れてお持ちいただいた、奥様の第一声です。この反響にうれしさの余り?!、お代わりを2回もお願いしてしまった私でした・・・。
※ いわゆる温泉施設、あるいはスーパー銭湯(街のお風呂屋さん)には、必ずと言って良いほど、こうした変質現象が垣間見られるばずです。 因みに私も、こうした現場に何度も立ち会っておりますが・・・。
どうぞ、皆様も「石材ケア技法」をご活用になり、この分野のビジネスチャンスを見出してみてはいかがでしょう。果敢なチャレンジ、そして「石の汚れ、あきらめないで!」
※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。
建造物の外壁や床などの経年劣化、綺麗に磨きます!
今まで、落ちなかった石材のシミや黒ズミの劣化汚れ・油性スプレーなどの落書きも消します!
石材洗浄はリフォームするより、早く安くお手軽です。
まずは、石材クリーニングの実績 → 施工事例集をご覧下さい。