建築石材の実例集.40 「鏡面黒御影石のテープ痕」
□月×日 Be Careful!要注意!の典型例。日本経済の元気印といわれる名古屋のベッドタウン、 JR駅にほとんど隣接して完成した高級・高層マンションのエントランスに出現した、やっかいな養生テープ痕をクッキリと残した黒御影石のケアです。
ホールの内外床・壁は全て石貼り施工。専任のメンテナンスクルーは完成内覧会当日までは、 兎に角汚れの付着やキズなどがないようにと、厳重に(?)養生テープを貼り巡らし、柱周りから腰石、ホールの壁石までバッチリとプロテクトしたのでした・・・。
水磨き、本磨きのコントラストがすばらしい中国産山西黒御影石の羽目施工に、 私が訪れた折には「クッキリ」、それこそ見事に養生テープの剥がし痕がラインされていたのでした。特に水磨き部位のそれは、 まるで直線を引いたような仕様のデザインか?と思わせるほどの出来映えでした。
施工前 施工後
早速に部位を選定し、テスト施工と相成りました。テーピングされた期間が比較的短かったことも幸いしたのでしょう。良好の結果に、私自身もどこか安堵感が・・・。
というのも、こうしたテーピング類、特に「ガムテープ」の長期間にわたる施工痕への除去・ケアでは、石材の特性によるのでしょうか、 いつも極めて困難な問題がつきまとうことが多いからなのです。
テープ痕を取る手順です。- 除塵、必要箇所の養生、清水による洗浄
- スクレーバーによる固形物の除去
- 専用除去剤を繰り返し塗布し、状況に応じてシップも併用
- 清水によりたっぷりと洗浄。特に最終洗浄は念を入れて力強く行う。
このケースもよくあるパターンで、私へのご依頼の前に施工石材店会社および専任クリーニング クルーの方々によって、実に様々な仕儀で、このターゲットにチャレンジを施された由。その経緯をキッチリ把握してからターゲットに挑まなければ、 適確かつ効率な施工は望めないのが、道理。しかしながら今回も、 失態を明確化されたくない、というよくある事情からなのでしょうか?、終ぞなにを、いつ、どのように施工なさったのかを、中々はっきりとお答えいただけませんでした。
お陰で、春とはいえ寒の戻りと強い北風に、私は幾重ものマフラーと耳当てを放すことができませんでした・・・。
※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。
建造物の外壁や床などの経年劣化、綺麗に磨きます!
今まで、落ちなかった石材のシミや黒ズミの劣化汚れ・油性スプレーなどの落書きも消します!
石材洗浄はリフォームするより、早く安くお手軽です。
まずは、石材クリーニングの実績 → 施工事例集をご覧下さい。