建築石材の実例集.41 「御影石の黄変変質現象」
△月×日 名古屋のど真ん中、中区錦三丁目(にしきさんちょうめ)は、 俗に錦三(きんさん)ストリートと呼ばれ、メインストリートは名だたるビジネス街のビル群、バイパスたる裏路地は煌めく飲食店、諸アミューズメント施設が肩を並べています。
日本を代表する統計者によるそのレジャー高層ビルのエントランスの床は、白、緑の大理石デザイン・パターン貼りの上、 外装は丸ごと御影石による施工です。地下街及び階上への階段までも、当然のように御影石施工になっています。
そんなご立派な石施工の外装に現れた、この「黄変変質現象」。何とも、明らかに私のいう「第三次汚染」の最たるものでした。
実はこの案件、完成時からのあまりの汚れゆえに三カ月ほど前、建物の管理会社より検分のご依頼をいただき、特殊洗浄のご提案をしていたもの。
その折には既に、往来が著しいことや階下の飲食店街の仕入れ搬入などに起因する油汚れをはじめ、「これでもか!」といわんばかりの汚れが付着。
それから三カ月、現場を再び訪れてみると、「何だぁこりゃ?!」。思わず私も嘆息の状況を相成っておりました。
ご担当者からのヒヤリングは、こうです。
私の検分後、出入りのクリーニング担当業者が洗浄施工を行ったのですが、施工後時間を待たずして施工した全部分が黄変し、 あわてて再度洗浄するも除去できなかった由。「どのようなケミカルで、どのように施工したのか?」という、肝心要の要点もご依頼主はご存知ありません。 私はそのままテスト施工、本施工と相成ったわけです。
施工前 施工後
- 除塵、必要箇所の養生
- 清水でたっぷりと洗浄し、バキュームで吸引
- 特殊還元剤を塗布し反応を確認後、黄変変質部分を除去します
- 清水で洗浄後、油分を含む黒ズミ汚れを除去剤塗布し反応を確認し、ブラッシングを合わせて洗浄
- 再度清水で洗浄し、ウェットバキュームで吸引。そして乾燥させます
本コラムの事例を取り上げた事例集(2005年11月刊行)でも幾度となく記しましたが、このような変質現象(第三次汚染)は、不注意に起因するものばかりで、まったくいただけません!
今一度、現場のケアに対してはお互いに十二分に注意したいものです。とはいえ、今年も「石の汚れ、あきらめないで!」
※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。
建造物の外壁や床などの経年劣化、綺麗に磨きます!
今まで、落ちなかった石材のシミや黒ズミの劣化汚れ・油性スプレーなどの落書きも消します!
石材洗浄はリフォームするより、早く安くお手軽です。
まずは、石材クリーニングの実績 → 施工事例集をご覧下さい。